自作LEDテール
ヤフオクにてT20ウェッジ球を購入しました。
「明るいLEDバルブ!」という謳い文句を信じて買ってはみたものの、全くの期待外れ・・・・
おそらく2型テール内部のリフレクタとLEDバルブの相性が良くないんでしょう。
これはイカンと思い、フルLEDテールを自作してみようと考えました。
(1)作業開始 |
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これがヤフオクで手に入れたLEDバルブです。 3CHIP SMD素子27連仕様でしたが、全くの期待外れで 自作LEDテール製作のきっかけとなりました。 |
2型テールを外し、純正3型テールに戻しました。 LEDテール作業中は暫くこの姿で過ごします。 それにしても3型テールはカッコ悪いですね。 |
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リューターを使いテールランプを分解します。 部材が薄いので熱で分解させる方法は 止めた方が良さそうです。 |
分解完了! 2型テールの中身って結構複雑なんですね。 |
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(2)LED及び抵抗の設計 |
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LEDは電球と形は似てますが、あくまでも半導体です。 電圧駆動の電球の場合、バッテリーから直接電源を取り点灯させる事が出来ますが、 LEDは電流による駆動となるため、バッテリー直では点灯する事が出来ません。 必ず抵抗(もしくはCRD)とセットで使用し、 さらに+−の極性を守らなければ点灯しません。 LEDの設計は昔学校の理科の時間に習ったオームの法則(V=I×R)を使います。
抵抗値は直列で並べるLEDの数によって決まりますので、 基盤にどのようにLEDが載るか、シミュレーションしなければなりません。 これが意外と地道な作業で、私は油性ペンを使い実際に基盤にマーキングしました。 その結果、以下のような数量と組み合わせになりました。
<抵抗を使ったLEDの基本回路・シングル球仕様>
上記回路での抵抗値(R1)の計算式は以下のようになります
R1=(V−ΣVF)÷T
赤色LED、抵抗値の算出 (電流:30mA)
黄色LED、抵抗値の算出 (電流:30mA)
白色LED、抵抗値の算出 (電流:20mA) (白LEDは3個直列が限界)
<ダブル球仕様の場合>
STOP入力の時はシングル球と同じになりますが、 スモールON時はR1の抵抗に加え、R2を通過させ減光するようにします。 ネットで色々調べてみると、スモール時のLEDに流れる電流は5mA程度との事。 しかしテスト回路で実際に700Ωを接続してみましたが、スモール・ストップの輝度差があまり感じられず、 抵抗値を徐々に上げていった結果、880Ω時に良好な輝度差が感じられ、880Ωを使う事としました。 R1+R2=130Ω+880Ω=1010Ωとなり、スモール時の電流値は3.8mAという事になります。
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半田付けの写真です。 黒いマーキングはLEDを挿す位置です。 |
ダブル球仕様の基盤です。 ちなみに抵抗の位置はLEDの前でも後ろでもOKです。 |
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こちらは試験的に抵抗の代わりにCRDを使った基盤。 10mAのCRDを1系統に2個ずつ並列で半田付けしました。 小さなCRDを半田付けするには根気が必要です。 光り具合は抵抗を使った物と差はありませんでした。 わざわざ高いCRDを使う必要は無いかも知れません。 |
作業ツールですが、半田コテは30Wの物を使用。 あと写真にあるようにACアダプター(テスト電源)、 ブレッドボード、テスターが必要になると思います。 ちなみにACアダプターは出力15Vの物を購入し、 DC(+)側に廃品のダイオードを2個直列に繋ぎ 電圧降下を利用して14.5V程度で使いました。 |
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(3)基盤の飾り |
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私のカローラのリヤコンビランプは尾灯とストップランプの赤色部分と ウインカー、バックランプ、リヤフォグのクリア部分の2種類から成り立っています。 面積の広い赤色部分はLEDの数を節約できる角型リフレクタ仕様とし、 クリア部分はキラキラ光るクリスタル仕様と2種類の飾りを施す事にしました。 以下はその2種類の詳細です。 |
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角型リフレクタ仕様(尾灯、ブレーキランプ) |
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LEDの通販ショップでは角型、丸型、六角形のリフレクタが販売されています。 その中で最もLEDを密に配置できる角型リフレクタを使ってみました。 正方形なのでユニバーサル基盤に隙間無く並べる事ができ、純正風に仕上がります。 テールランプで面積の広い赤色部分はこれを使う事としました。 |
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これが角型リフレクタです。 白いブッシングとメッキのリフレクタで1組です。 |
リフレクタを並べたところ。 隙間無く並べる事ができます。 |
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悩んでいたRの処理ですが、 こんな具合にリフレクタ同士を接着して解決しました。 |
テール上部の赤色部分はこんな具合に並べました。 端部がRになっていてもバランス良く並べればOK。 |
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テール下部はきれいな長方形なので角型リフレクタをきっちり並べる事が出来ます。 2型テールはまるでリフレクタを入れて 下さいと言っているような形状で、 20個×5列で並べる事が出来ました。(端部はスペースの関係上、2個入りませんでした・残念!) |
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クリスタル仕様(ウインカー、バックランプ、リヤフォグ) |
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ウインカー、バックランプ、リヤフォグの形状は四角形ではないため、 角型リフレクタを入れようとすると隙間だらけになり、きれいな仕上がりにはなりません。 また面積も尾灯やブレーキランプよりも狭いので、LEDの数を増やし輝度を確保しなければいけません。 よってこれらはリフレクタを使わず、基板上に出来るだけ密にLEDを配置しようと考えました。 一般的に基盤の表面はLEDの反射を促すため反射シートやホログラムシートを貼りますが、 T-HOUSE流として何か工夫してやろうと思い色々考えた結果、こんな方法を採り入れました。 |
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何か面白い物は無いかと会社帰りに東急ハンズへ、 そこで見つけたのが写真のガラスビーズ(350円) これをメッキシートの上に散りばめてやろうと思い購入 |
作業は簡単で、まずメッキシートを基板上に貼り、 その上に透明な接着剤を薄く延ばします。 その上にガラスビースをふりかけてやります。 |
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基板上にガラスビーズをふりかけました。 室内の光でもイイ感じに光ってくれるようです。 しかしメッキシートに予め開けておいたLEDの挿し穴が 接着剤で塞がってしまい、LEDの設置に難儀しました。 |
やっとの思いでLEDを取り付けました。 次に施工した基盤は穴が塞がらないように 予めマスキングしたのは言うまでもありません。 |
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(4)基盤のセット〜組み立て |
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基盤を固定する前に点灯試験。 テールにセットした際に基盤裏の回路が干渉したり 断線したりするのをチェックできます。 ちなみに純正テールのリフレクタ部分は通電するので 基盤の裏側と接触する部分は絶縁処理が必要です。 |
基盤の固定はホットボンドを使用しました。 隙間無く接着すると故障の際に外しにくいため、 部分的にしか接着しませんでした。 |
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テールランプの枠とレンズの接着です。 接着剤はシリコンコーキングを使いました。 |
完成写真です。 リフレクターが奥にうっすらと見えるのが良い感じ。 あとは車に付けるだけとなりました。 |
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(5)車両への取り付け |
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車両への接続ですが、ソケットへポン付けするため 通販でT20とT10のウェッジベースを購入しました。 これを使うととても楽ですよ。 |
いよいよ取り付けです。 点灯パターン変更のため配線が少々複雑です。 |
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取り付けが完了しました。 基盤のクリスタル加工もイイ感じです。 ちなみにナンバー横左右のランプ交換ですが、 リヤガーニッシュとナンバーを外す必要があります。 自分はすべて裏側から交換できる物と思ってました(^^;) |
取り付けが終わったら点灯チェックです。 ブレーキ、ウインカー、バックランプを同時に点灯! 実は車両に付けての点灯は2度目だったりします。 前日やったところ、断線や漏電が見つかりました。 |
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(6)点灯パターン変更 |
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以前から他のカローラを見て気になっていたんですが、 E120系カローラの1・2型テールランプは夜間のブレーキランプがとても見づらくなっています。 LEDテールを取り付ける際に、点灯パターンも同時に変えてやろうと思っていました。 その結果が以下の写真で、夜間のブレーキランプの視認性が格段に良くなりました。 またスモールの点灯状態で腰高のイメージがあったノーマルに対し、 変更後はワイド感が出てとてもスッキリした感じになりました。 ※写真にマウスポインタを乗せるとブレーキランプが点灯します |
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( ノーマル ) 夜間ライト点灯時のブレーキランプですが、 コンビネーションランプの下部が強弱するだけです。 私も他のカローラを見て気になっていたんですが、 ハッキリ言ってとても見辛いです。 |
( 点灯パターン変更 ) コンビネーションランプ上部を欧州車のように ブレーキランプ専用にしてあります。 夜間のブレーキランプの視認性は こちらの方が断然良いと思います。 |
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(7)ウインカーハイフラ対策 |
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ウインカーをLEDに変えると、電球と比べ消費電力が小さいため車は球切れと判断ます。 球切れの場合、警告としてハイフラ現象(高速点滅)が起こりますが、その対策が必要となります。 現在対策としては下記の4つの方法があります。
@ ウインカーに抵抗を取り付け (発熱が凄いので対策が必要) A ノーマルウインカー球を隠れた所で点滅させる(通称:隠し玉) B 純正リレーを加工(抵抗値を変える) C ハイフラ対策済み社外ウインカーリレーに交換
@とAはLEDの利点である消費電力の低減にならないので却下。 Bは純正リレーが高価(\4,200)で抵抗値も使用するLEDによって調整する必要があるので手間が掛かる。 よってCのハイフラ対策済み社外リレーを採用する事になりました。 |
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E120系カローラのウインカーリレーの場所はここ。 運転席右側小物入れを外すと中に隠れています。 (黄色い丸で囲った所) |
固定されているので、手前に引っ張れば リレーとハーネスを手前に取り出す事ができます。 |
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左が純正リレー、右がハイフラ対策済みリレーです。 同形状なのでカプラーオンの手軽さが魅力です。 |
リレーを交換し、元の位置に戻してやればOK 小学生でも出来る作業です。 |
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今回購入したハイフラ対策リレーは孫市屋(マゴイチヤ)さんにて購入しました(\2,970) カプラーオンの手軽さはとても良いですが、キーレスのアンサーバックが正常に点滅しません。 私の車の場合、LEDを使っているドアミラーウインカーとリヤウインカーは点滅しますが、 電球を使っているフロントとフェンダーのウインカーは点滅しないようです。 |
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(8)完成 |
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色々な作業をまとめましたが、これでLEDテールは完成です。 以下の写真は色々な点灯状態をまとめました。 |
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<スモール> 夜間の走行状態です。 |
<スモール+ブレーキ> 点灯パターンの変更で視認性アップ! |
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<スモール+ハザード> LED独特のキレのある点滅が自慢です。 |
<スモール+バック> 白色LEDはHID並みの青白い光を出します。 |
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<スモール+リヤフォグ> 激光状態で直視できません。 |
夜の街中で点灯チェック う〜ん、イイ感じ・・・・ |
今回使用した材料一覧です (LED総数:924個)
品 名 | 種 別 | 数量 | 単価 | 金額 | 購入店 | 備 考 |
発光ダイオード | 赤色 5mm 砲弾型 25,000mcd | 514 | 33 | 16,962 | 田中商会 | |
黄色 5mm 砲弾型 20,000mcd | 230 | 29 | 6,670 | セール品 | ||
白色 5mm 砲弾型 30,000mcd | 30 | 37 | 1,110 | セール品 | ||
白色 5mm 砲弾型 30,000mcd | 150 | 45 | 6,750 | ごんた屋 | ||
金属皮膜抵抗 | 1/4W 130Ω | 100 | 5.71 | 571 |
アイテク (名古屋・大須) |
40円/7本 |
1/4W 170Ω | 46 | 5.71 | 263 | |||
1/4W 200Ω | 2 | 5.71 | 11 | |||
1/4W 270Ω | 2 | 5.71 | 11 | |||
1/4W 880Ω | 40 | 5.71 | 228 | |||
カーボン抵抗 | 1/4W 150Ω | 20 | サービス | 0 | ごんた屋 | |
CRD | E-103 10mA | 80 | 33 | 2,640 | 田中商会 | セール品 |
ダイオード | 1N4007 1A | 34 | 7 | 238 | KURA | |
1N5404 4A | 2 | 0 | 0 | 廃品利用 | ||
ユニバーサル基盤 | 300*135 t1.6 | 4 | 1200 | 4,800 |
アイテク (名古屋・大須) |
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角型リフレクタ | 304 | 45 | 13,680 | |||
ウインカーリレー | ハイフラ対策済 トヨタ系8ピンタイプ | 1 | 2970 | 2,970 | 孫市屋 | |
合 計 | 53,935 |
今のところ取り付け後のLEDの点灯トラブルとかは無いようです。
雨の中を一日中走行する事もありましたが、トラブルは無く一安心しました。
しかし今後は振動によるトラブルが発生するかも知れないので、今後は注意深く見守りたいと思います。
今回初めてLED工作をやってみましたが、ほんとこれハマりますね。
半田など子供が触ると危ないので、家族が寝静まった時間にコツコツ作業してましたが、
作業を始めると思わず時間を忘れてしまい、気が付くと日付が変わっていたという事もしばしばありました。
抵抗値の計算などあり一見難しそうに見えますが、一度コツをつかめば難なくこなす事が出来ます。
皆さんも是非一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。